池泉の家 (進行中)
1960-2025年 福井県

構造: 木造(伝統構法)
延床面積: 105.18㎡

1960年に建てられた小規模な民家の改修。
建築基準法制定(1950年)以降における、RC基礎・筋交い・金物仕口による「在来工法」を基準とした木造建築生産体制への移行期にあって、完全にそれ以前の世界観でつくられた建物である。
建主は結婚を機にこの家を新築したが、最初の子が産まれた後ほどなくして妻が死去する。その後に親族の寡婦との再婚 (家政・家産・家族共同体としての「イエ」の再編成)を行ったことにより、この家は建てられて間もなく放棄されてしまう。
家ではなくなってしまったこの建物は、その後60年以上に渡る親族の管理のもとで現在に残る。
分離してしまった家とイエを、ふたたび一つにする試み。