畳を解体してワラにする

事務所の建物に、古い畳が20枚近く残っています。
土埃にまみれているので、処分しようと思いましたが、次回の市の粗大ゴミ回収は1年後だそう。
焼却場に自前で持っていくにも、軽トラがないと運べず、手配にお金がかかってしまいます。

ネットで検索すると、解体してワラにすれば、畑の資材などに使えるそうなので、試してみました。

ごくふつうの畳ですが、こちらを解体していきます。
小さな住まいから大都市の街区割りまでを、ひとつの寸法体系の中に包含する「尺貫法」モデュールの基礎単位となっている畳ですが、単位ではなくモノとしての畳にこういう形で対峙するのは初めての機会です。

使うのはカッターと、糸を抜くためのフック状の器具(今回は草刈鎌を使用)のみ。

黒い畳縁を留めている糸をカッターで切り、糸を抜いて外していきます。

畳表はぺろんと簡単にめくれます。

畳本体、畳表、畳縁がこのように分解できました。

表側は、短手方向に糸で縫われていますが、この糸をカッターで切っていきます。
(すべて切るのではなく、縫い目を1つ飛ばして切る。)

裏側は、表とは直行する長手方向に縫われています。こちらも同様に糸を切っていきます。

糸を抜くと、ワラがほどけていきます。
この糸がワラのなかに残っていると、畑に撒いたあとに耕運機に絡まるなどのトラブルになるため、注意深く取り除いていきます。

ばらしてもばらしても、どんどんと出てきます。薄い畳にこれだけ入っていたのかと驚くばかり。
ワラを土のう袋に収納していきます。ホコリがすごくて喉がやられます。

ワラは束の状態になっているものもあります。これなら再利用もしやすい。

畳1枚から、土のう袋10個分のワラが取れました。

取り分けた糸の量もすごく、片手では持てないほどです。1枚の畳に入っているモノと労力の量に驚きました。
たくさんのワラを入手できたのは良いものの、合計3時間ほどの時間がかかり、くたくたに。
これだけ大変なんだったら、ワラを買ってしまったほうが早いな、、などと思いましたが、近くのホームセンターに行ってびっくり。

ワラの値段が、20リットルで600円ほどと、意外に高いことが分かりました。
さっきワラを入れた土のう袋の大きさは、20リットルの袋よりやや大きい程度で、密度を考えると2~3倍は入っています。
そうすると、3時間の作業で600×20=12,000円分以上のワラを入手できたことになる。

思いのほか割の良い労働だったことがわかりました。
まだまだ畳は残っているので、無駄にせずに活用したいです。

(2025.10.26)