箱の家170 (※前職での担当作)
2022年 東京都

構造: 鉄骨造
延床面積: 140.18㎡
冷暖房方式: アクアレイヤー(空気熱源)
外皮平均熱貫流率(UA値):  0.53W/㎡K
断熱等級5

設計: (株)難波和彦+界工作舎
構造設計: (株)佐々木睦朗構造計画研究所
掲載: 『新建築住宅特集』2023年12月号
写真: にふ建築舎 (2025年再訪時)




東京都の密集住宅地に建つ住宅。
旧宅は重要な戦後モダニズム建築であり、60年以上の居住・改修を経た後、建替えに踏み切られた。
耐火に関する厳しい制限をクリアするため鉄骨造とし、不燃断熱パネル+金属波板で全体を覆う。
アーティストである夫妻のアトリエは、居住空間と完全に繋がっている。作品制作のため1階の階高は3mほどまで高くし、2階は斜線制限をクリアするため屋根裏のようなスケールの勾配天井とした。機能・法規・身体寸法のぎりぎりのバランスにより生まれた形である。
旧宅のプラン・寸法は踏襲し、スポリア(採取・再利用)した建築部材・家具を随所に配置している。内部は家族の創作物で溢れ、水盤のある幅3mのテラス庭にはブドウやツタ植物が生い茂り、豊かな中間領域を形成している。
大都市の新陳代謝を横目に見ながら、記憶と時間の継承がこれからも続いていく。